大判例

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大阪地方裁判所 昭和40年(ワ)3076号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕一、本件建物につき庄野金属と被告らとが本件各契約及び本件各登記手続をなしたこと、並びに庄野金属が昭和三八年一一月二六日手形不渡を出して倒産したことは当事者間に争いがない。

二、<証拠>を総合すると

(一) 原告らは庄野金属と被告との間に本件各契約がなされる前から庄野金属に対し原告ら主張のような債権(総額七一〇万二七七九円)を有していること。

(二) 庄野金属は昭和三八年八、九月頃から資金繰りが非常に困難となり、負債総額も約一億円に達し資産をはるかに超過するに至つたが、同社の代表取締役庄野一恵及び岡林重美は右窮境を打開するためには全債権者の大部分に債権の棚上げをしてもらうよりほか途がないと考え先ず大口債権者である訴外三利特殊鋼株式会社(債権額一三〇〇万円)、同藤本産業株式会社(債権額四五〇万円)、及び被告近江産業株式会社(債権額三〇〇万円)、同摂津鋼材株式会社(債権額二五〇万円)の四社に対し前記窮状を訴え、債権の一時棚上げ及び取引(材料の供給)の継続方を懇請し、これに対し右四社は右申し出でを承諾する旨答え、その代償として、被告両会社は本件各契約及び登記をなし、前記訴外、両会社も本件建物につき代物弁済予約並びに根抵当権設定契約をなし、それぞれこれを原因として所有権移転請求権保全仮登記と根抵当権設定登記とをなしたものであること。

が認められる。

三、右二(二)の事実によると本件各契約及び登記は庄野金属の更生を援助する目的に出たものであり、他の一般債権者を害するものでないと解する余地があるようであるけれども、右各契約及び登記がそれ自体においては他の一般債権者の債権回収を一層困難ならしめるものであることはいう迄もなく、しかも被告らの援助は他の一般債権者にも債権棚上げをさせることを条件としたものであり、かつ、前掲各証拠によると、その後庄野金属に約旨どおり材料を供給したのは前記四社のうち訴外三利特殊鋼株式会社のみで被告両会社と他の一社とはほとんどなんらの援助ないしその努力をもなさなかつたことが認められるので、前記事情は、本件各契約及び登記が他の一般債権者を害するものであり、かつ、庄野金属及び被告らはそのことを認識していたと認定することの妨げとなるものでなく、<証拠>中右認定に反する部分は<証拠>に照らしたやすく信用することができない。(加藤孝之)

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